「強化アクチュエーター」って、過去の常識から考えれば出力アップに繋がる、まさしく定番であります。
「純正のアクチュエーターは柔らか過ぎて、お高いブーストに耐えられないから、もっと丈夫なやつ入れてぇ~」みたいな。
勿論、純正が1Barまでしか耐えられない貧弱なやつで希望のブーストが1.5Barなら、変更しないと1.5Barは期待できない。
ですが、純正が元々強いやつならどうでしょう?
そう、実はR35 GT-Rの純正アクチュエーターは、1.7Bar辺りまで耐えられるやつなんです。
これはR35 GT-Rの純正ECUの内部の、現在のブースト別の希望ウェストゲートの開放角度のテーブルです。
78.1%の力を掛ければ、ブースト1.5Barでも開放角度は「0度」で、ビクともしません。
95%になれば、1.6Barでも「0度」…つまり、一般的に使われている1.5Bar以内であるのなら、容量は全然足りているのです。
なら、強化アクチュエーターを進めてくるのは、なぜ?
それは、チューナーさんが純正ECUのこのテーブルをコントロール出来ない状態なのか、低~いrpmから1Bar以上にしないといけない時、そして、R35 GT-Rの制御が理解できていない、のいずれかの理由が有るからでしょう。
実は、強化アクチュエーターを入れると、内部のこのテーブルを再作成しないと全体的な制御がめちゃくちゃになり、全体的なバランスが崩れてしまうので、純正ECUが完璧に理解出来ているチューナーさんなら、純正タービンに強化アクチュエーターはお勧めしないはずです。
1Barの時、普通なら21.9%の力でウェーストゲートは28.8度開いてくれてたのに、強化製になるとそれが全然開かなくなります。勿論それがちょうど良い具合に閉まってくれたら、ブーストの立ち上がりは良くなったりもするのですが、強化製ってそんな細かい計算の上作られている訳では無いからです。
純正ECUが完全に理解出来ていたら立ち上がりを良くしたいところの数字をもう少し高くすれば、立ち上がりも良くしながら、バランスも崩せなくて済みます。
ただ、大きめのタービンを入れると、より高いブーストに耐えてくれないといけないため、強化アクチュエーターが必要となり、このテーブルは必ず再作成をしないといけませんが、元々合わせているデータが手元にない限り、慣れているチューナーさんさえ数日もかかる大変な作業になってしまいます。
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